アルカンターラ生地でバイクシートを張替えしたいな…
きっとすごくカッコよくなるんだろうなぁ!
こんなことを思ったことはありませんか?
アルカンターラで張替えたバイクシートは、ヒト目を引きます。
とても高級感があるからです。
【この記事では】
☑️アルカンターラってどんな生地?
☑️アルカンターラで張替えるメリット・デメリット
☑️アルカンターラのメンテナンス
について解説していきます。
わたしも何度も見ていますが、
アルカンターラ生地のバイクシートは、ほんとカッコイイです!
しかし、そのカッコよさを維持することがとても大変なのです。
その点を実践できれば、アルカンターラで張替えることをオススメします。
【この記事の執筆者】
自己紹介と実績です
☑️現役のバイクシート職人
みなさんにとって最高のシートをつくるために日々精進
☑️この道15年のキャリア
過去累計70000以上の加工実績
今現在も1年で5000個ものシートを加工し続ける
☑️どんな形でもつくりだす技術
アンコ加工は業界でも右に出るものはなし
NAN^2(@orenobikeseat)
結論から言うと
見た目を重視して張替えると、思わぬ失敗を引き起こすことになります。
その理由は
防水性や生地の特性を知らないと、早期劣化を招いてしまうからです。
さらには
生地が高額であることも知っておきましょう。
具体的にいうと
濡れてしまったときは、どんな対処をすればいいか。
どの業者に注文すればいいのか。
など。
でも大丈夫。
この記事を読めば、アルカンターラの特徴からメンテナスまで幅広い知識がつきます。
つけ加えるのであれば、1つのシートを使い続けることはイイ傾向ではありません。
余裕があれば、もう1つシートを所持して使い分けるぐらいの対応をしてくだい。
アルカンターラのシートを所有するということは、このようなことをしなければなりません。
それではいってみましょう。
『アルカンターラ』とはどんな生地?
日本の「東レ」とイタリアの「Emi」の合弁によって設立された会社がアルカンターラ社です。
その会社が製造するスエード調、人工皮革素材をアルカンターラと呼んでいます。
簡単にいうと人工スエード素材ということです。
アルカンターラはわかったけど、エクセーヌとかウルトラスエードって呼ばれてるものもあるし…
何が違うの?
結論から言うと、同じ素材です。
つまり、呼び名が違うだけということです。
アルカンターラ社 = アルカンターラ(素材)※イタリア製
東レ = エクセーヌ(現在はウルトラスエード)※日本製
わかりにくくなったのは、アルカンターラの名称が有名になりすぎた結果ですね…
そんな生地ですが
アルカンターラの良さはなんといっても、見た目です。
高級車の内装にも使われることから、そのイメージは格段に上がりました。
もちろんバイクシートの生地にも用いられています。
- ドゥカティ
- MVアグスタ
- モトグッチ
欧州メーカーでは多く取り入れられています。
しかし、国産車も負けてはいません。
YAMAHA XSR900、HONDA CB1000Rのシートでウルトラスエードやアルカンターラが使われています。
雨でも大丈夫?『アルカンターラ』のメリット・デメリット
純正シートでも使われるぐらいだから、張替えでも問題ないでしょ?
そう考える人もいると思いますが、デメリットはあります。
メリットとあわせて解説します。
メリット
- 見た目がイイ
- 熱につよい
- スベり止め効果がある
高級感がある見た目は、きっと人をひきつけるでしょう。
次に
ビニールレザーとくらべて表面温度が上がりにくい。
これ、十分なメリットですよね。
シートがビニールレザーのみなさん…
思い出してください、あの夏の暑さを!!
うかつにシートにまたがると…
アチ゛ーーーーー!!!
通常の生地と比べたら、スベり止め効果はあります。
しかし
しっかりとしたグリップ性を求めるのであれば他の生地を選びましょう。
張替え業者があつかう生地の種類は非常に多いです。
ほんとにグリップ性を求めるときはどんな生地がいいと思いますか?
じつは、限られた生地でしかグリップ性は発揮できないのです。
デメリット
- 生地がのびない
- 値段が高い
- 防水性がない
- 劣化がはやい
生地について
バイクシートの張替えは、生地にハリを出して仕上げます。
ビニールレザーと比べると、まったくといっていいほど生地がのびません。
高低差があるシートなどに使用するとシワの原因にもなります。
値段について
アルカンターラで張替えると高いっていうけど、どれぐらいなんだろ…??
そんなあなたのために調べてみました。
【張替え業者での取り扱い】
業者名 | 取り扱い | 生地代 | 加工料金 |
MGMスタジオ | ⭕️ | + 14000円〜 | 張替え代 +材料代 |
オオカワシート | ⭕️ | + 10000円〜 | 張替え代 +材料代 |
CUSTOM SEAT .JP | ⭕️ | + 10000円 | 張替え代 +材料代 |
野口装美 | 🔺 | 予約制 ー | 張替え代 (生地代含む) 40000円〜 |
バイクシート 張替え屋 | 🔺 | 取り寄せ ー | 張替え代 (生地代含む) 24000円〜 |
丸直 バイク事業部 | ❌ | ー | ー |
茗荷シート | ⭕️ | 25000円〜 | 張替え代 (生地代含む) 25000円〜 |
明和内張 | ⭕️ | + 12000円〜 | 張替え代 +12000円 |
やまちゃんの バイクシート 工房 | ⭕️ | 21000円〜 | 張替え代 (生地代含む) 21000円〜 |
このように一覧にすると、よくわかります。
注意すべき点は、追加料金ということです。
通常の張替えに+〇〇円といった形で加算されます。
以外には、合計金額に含んでいる業者もあるので、しっかり確認してください。
アルカンターラをあつかう業者すべてに問い合わせたところ、生地が高いこと、防水性がないことを十分理解する必要があると強調されました。
あつかう生地の、細かな違いはあります。
張替えを希望する場合は、必ず問い合わせることをオススメします。
防水について
結論から言うと
防水性はなし!
だよね…やっぱり…
生地の裏側を見てみると、残念ですが防水加工はしてありません。
その対策としては
- 雨の日に乗らない
- シートカバーをつかう
- 濡れたらすぐに拭き取る
- 別のシートをつかう
《雨の日に乗らない》
1番の方法かもしれません。
濡れなければ、防水性も関係ありません。
《シートカバーをつかう、濡れたらすぐに拭き取る》
雨の日でも乗ることがある人は、このような対策が必要です。
とくに濡れたままでの使用は、衣類への色うつりの原因にもなります。
加えて、濡れたままでの放置は色あせを引き起こします。
《別のシートをつかう》
この方法がベストです。
シートを付け替えることによって、早期劣化をふせぐことができます。
シートをもう一つ購入することは簡単ではありません。
決して安い買い物ではないからです。
しかし、定期的にメンテナンスできることや、長く乗り続けられることを考えると、結果あなたにとってプラスになります。
アルカンターラ生地の防水性はなくても、ビニールレザーは大丈夫。
そう思っている人は大きな間違いをしています。
水の量にもよりますが、生地表面からも水は侵入します。
さらに
ビニールシートが内蔵されていても安心してはいけません。
張替え業者で使われるビニールに防水効果はありません。
劣化について
通常ビニールレザーの張替えサイクルは2〜3年といわれています。
もちろん使用頻度は保管状況によってことなりますが。
アルカンターラは、それよりも早く劣化します。
それはなぜか?
その理由は、生地が起毛しているからスレていくのです。
生地に問題がなければスベりにくいが、劣化がはじまると表面はツルツルになります。
バイクに乗っていて、お尻を動かすことは幾度もありますよね。
- 乗車時のポジション設定
- 停車時の足のおろし
- カーブでのお尻のずらし
- 速度変化による体重移動
さまざまな状況において、シート表面はスレていきます。
なので、使用頻度が高ければ早期劣化がおきてしまうのです。
劣化が早いなんて、想像してなかった!
『アルカンターラ』の手入れ方法
バイクシートは体に大きく触れる大事なパーツです。
夏場では、お尻から出る汗などがシート表面につくこともあります。
それ以外にも屋外での駐車によって、汚れなどが付着します。
多くのシートが黒色になっているのは、それらの汚れを目立ちにくくするためでもあります。
とはいえそのままでは、起毛がすり減って汚れたままになってしまいます。
ここでは、その汚れを落とす方法を解説します。
用意するものは
- バケツ
- タオル
- お湯
- ブラシ
手順としては、40度前後のお湯をバケツに入れタオルに染み込ませてます。
若干の水分が残るようにタオルをしぼり、汚れている部分に押しあてます。
しっかり押しあてて蒸らすように汚れを浮かせます。
お湯が冷めてしまうと、汚れは落ちにくくなります。
こまめにタオルにお湯を染み込ませましょう。
汚れがひどい箇所は無理にこすらず、根気よくこの作業を繰り返しましょう。
バックレストも同じ要領で手入れします。
最後にブラシで、汚れていた箇所を丁寧にブラッシングしましょう。
アルカンターラ生地の手入れは、細かな気づかいが必要になります。
くらべてビニールレザーの場合は、バイクシャンプーでゴシゴシ洗ってしまってはいませんか?
それでは、ホントに汚れを落としてるとは言えません。
まとめ
アルカンターラで張替えをしたバイクシートは人の目を引きます。
それはシートに高級感が出ているからです。
アルカンターラ生地はイタリアのアルカンターラ社が製造する人工皮革のことをいいます。
その生地は、自動車の内装部品だけではなくバイクシートにも用いられている。
アルカンターラ生地を使って張替えをしたシートを長く使い続けるためには
予備のシートを用意してください。
それは、デメリットの中にある2つの項目が原因です。
- 生地がのびない
- 値段が高い
- 防水性がない
- 劣化が早い
防水性と劣化です。
濡れた状態で使用し続けると、早期劣化や色あせを引き起こすことになります。
アルカンターラは防水性がないので、以下の対策をとりましょう。
- 雨の日は乗らない
- シートカバーをつかう
- 濡れたらすぐに拭き取る
- 別のシートをつかう
張替え業者によっては、アルカンターラの取り扱いがあります。
通常料金に追加で料金が発生するので、注意が必要です。
アルカンターラで張替えをしたシートを手入れするときは、慎重かつ丁寧におこないましょう。
アルカンターラ生地での張替えは、デメリットが多くなります。
しかし
アルカンターラ生地の純正シートをお使いのみなさんはどうでしょうか?
張替えをしなくてはいけない状況になったことはありませんか?
加工の内容次第では、今の生地を使う方がメリットが大きいこともあります。
詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。
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