【ビニールは防水効果0】バイクシートを水濡れさせない3つの方法

シート張替え

シート張替えをすると、防水性が落ちるんでしょ?


シート張替えをしない理由に、防水に不安があることがあげられます。

防水性は、バイクシートにとって大事な要素です。


多くの人が日常でバイクを使用しています。

シートが濡れても乗らなくてはいけない状況もあるはず。



【この記事では】

☑️ビニール防水の効果

☑️バイクシート防水の現状

☑️バイクシートを水濡れさせない3つの方法

☑️水濡れバイクシートの対処法


について解説していきます。


張替えをすると、防水性が落ちるのでは…

張替え業者がどんな防水対策をしているのか?

純正シートと張替えをしたシートでは、防水性は変わるのか?


防水対策の1つとして使われるものに、ビニールがあります。

ビニールが入っているから防水は大丈夫!


こんな考えになってはいませんか?


【この記事の執筆者】

自己紹介と実績です


☑️現役のバイクシート職人

みなさんにとって最高のシートをつくるために日々精進

☑️この道15年のキャリア

過去累計70000以上の加工実績

今現在も1年で5000個ものシートを加工し続ける

☑️どんな形でもつくりだす技術

アンコ加工は業界でも右に出るものなし

NAN^2(@orenobikeseat)


結論から言うと

張替え業者が使用するビニールに、防水効果はありません。


理由は

ビニールの薄さにあります。


具体的に言うと

アンコへの直接的な、しみ込みを遅らせているだけにすぎません。


さらに言うと

縫い目だけではなく使われる生地の表面からも水はしみ込みます。

知っていましたか?


つまり

張替えたシートに防水性はないということです。

水量にもよりますが、水のしみ込みは防ぐことができません。


なるほどポイント

シート全体からしみ込んだ水分は、結果的にアンコへもしみていきます。


でも大丈夫。

この記事を読めばバイクシートを水濡れさせない方法を知ることができます。


なっとくポイント

これは、過去70000以上ものバイクシートを見てきた、私だからわかる事実なのです。


それではいってみましょう。


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ビニールシートは防水効果0(ゼロ)

みなさんはビニールがどのような役割を果たしているかわかりますか?


バイクシートにしみ込んだ水分が、アンコに入っていかないようにするためのものです。

そうならないために、ビニールは使われているのです。

アンコはウレタン素材なので、しみ込んだ水分を吸収します。


結論から言うと

そのビニールに問題があるのです。

張替え業者はポリフィルムと呼ばれるビニールフィルムを防水処理に使用しています。


ビニールの厚みは0.018mm。


ダメなポイント

防水シートではなく、極薄のビニールフィルムが入っている


みなさんはこの数値を見て、防水性に疑問を持ちませんでしたか?

この厚みで、撥水処理もしていないビニールに防水効果があるのか?

と…


そんな薄かったら効果ないでしょ!


なるほどポイント

みなさんがよく知っているビニール傘。

この傘に使われるビニールの厚みが0.08mmなので、最低でもこの厚みがないと防水にはならないということになります。


つまり

張替えに使われるビニールに防水能力はないのです。

みなさんの中に、こんな経験をしたことがある人はいませんか?


防水ビニールが入っているのに、縫い目から水がしみ出てきた…


それは

ビニールが入っていても、極薄なので水を通してしまうのです。

防水効果はなく、アンコにしみ込んだ水は荷重によって縫い目からシミ出てきます。


わかったポイント

撥水性のない極薄のビニールシートの使用では、防水効果はない。


バイクシートにとって大事な防水性。

生地からも水が侵入するのなら、しみ出してくるのは防ぎようがありません。

しかしバイク車種によっては、非常に防水性の高いシートが装着されているものもあります。

すべての不満を解消する、完璧なバイクシートってあるのでしょうか?



バイクシートは防水ビニール+生地防水が必須

ビニールがダメなら、他の方法はないの?


防水処理はビニールだけではありません。

メーカーや業者も、ちがう防水方法と取り入れています。

ここでは現状のバイクシートがどのように防水処理しているのか解説していきます。


えっ?
純正と張替えで防水方法にちがいがあるの?


そう思う人もいるはずです。

結論から言うと

純正シートの方が、防水処理にすぐれています。


バイクシートの防水加工は大きく2つに分けられます。


  • 生地への防水
  • アンコへの防水


では純正シートと、張替えシートの防水処理を見てみましょう。


純正シート

純正シートの特徴は、防水テープの使用率の高さにあります。

この数年で縫い目が入ったシートが多くなり、その仕様からこのような処理が主流になっています。

テープをしっかり貼り付けることによって、縫い目からの水の侵入を防ぎます。


KAWASAKI Z900RS 純正シート ステッチ
KAWASAKI Z900RS ステッチ


KAWASAKI Z900RS 純正シート 防水処理
KAWASAKI Z900RS 防水処理


なるほどポイント

【カワサキ】Z900RSはカワサキ車種としては珍しく、縫い目を取り入れたことでデザイン性が上がりました。

生地裏の縫い目部分には、しっかり防水処理がしてあるところも高評価です。


もう一つの防水方法はビニールになります。

防水に使われるビニールは、メーカーによってはしっかりと厚みのあるのもを使用しています。

しかし

現行車種のビニールの内蔵は、2〜3割程度にとどまっています。


その他のメーカーはというと


なるほどポイント
  • 【ホンダ】CBRなどのスポーツタイプからグロムなどのミニバイクまで、比較的多くの車種に入っています。
  • 【ヤマハ】シグナスなど2種スクーターをメインにビニールシートが入っています。
  • 【スズキ】刀のように一部に入っているシートもあるが、縫い目のないシートが多く、ビニールが入っている車種はほぼありません。


残念ながら、テープ、ビニールの2つで防水処理をしたシートを国産車種で確認したことがありません。

ですが

海外車種では


  • BMW
  • ピアジオ
  • モトグッチ


などは、ビーニールシートとテープを併用した防水処理をしています。


PIAGGIO Vespa 防水処理
PIAGGIO Vespa 防水処理


Moto Guzzi V7Ⅲ 純正シート 防水処理
MOTOGUZZI v7Ⅲ 防水処理


つまり

この2つの併用が、現状でできる防水対策としてできる1番いい処理と考えます。


わかったポイント

縫い目にはテープをして水の直接的な侵入をふせぎ、生地からの水の侵入にそなえてビニールをする。

たとえ中に水が入っても、裏生地にテープが貼ってあるのでしみ出ることがない。


張替えシート

縫い目への防水に、コーキング剤を使用している張替え業者もいます。

ミシン針で穴の開いた箇所に、コーキング剤を裏から塗り込む方法です。



この方法は

縫い目の一つ一つにしっかり塗り込まなけらばなりません。


業者へ張替え依頼をする際に、最も気をつけるべき点はタックロールです。

タックロール生地の表面は、ミシン針の穴が数多くあいている状態です。


タックロール 表生地
タックロール 表生地


タックロール 裏生地
タックロール 裏生地


見た目はキレイに仕上がったシートですが…

この水色のウレタン部分に水が溜まってしまうのです。


なるほどポイント

タックロールはウレタン素材でふくらみを作っているので、とても水が染み込みやすいので注意


タックロールへの防水の不備を指摘している方もいます。



ダメなポイント

1度水が入ってしまうと、しばらくの間はシートにまたがるとズボンが濡れる状態になってしまいます。


バイクシートを水濡れさせない4つの方法

シートへの防水は、アンコと生地にそれぞれできることが限られています。

そこで

根本的にシートを濡らさないことや染み込ませない方法を考えてみましょう。


大事なバイクシートを守るために、あなたにもできることがあるはずです。

ここでは、3つの方法を紹介します。


  • 張替えをするときは、縫い目の少ないシートをつくる
  • シートカバーを常備する
  • 青空駐車をしない


縫い目の少ないシートをつくる

シート張替えすると、純正シートとは大きく変わることがあります。

それは

縫い目が入ってしまうということです。

張替えを1度でもしたことがある人は経験したことがあると思います。


純正シートは、伸びやすい生地でさらに形状に合わせて型抜きされています。

なので、縫い目は入っていません。


純正シート
純正シート


しかし

張替えの場合は、まっすぐな生地を組み合わせてつくるので、シートのカーブしているところに縫い目が入ってしまうのです。

※このシートではサイドの部分に縫い目が入ってしまいます。


カスタムシート
カスタムシート


この縫い目を必要最低限にすることで、縫い目からの水の侵入の可能性を下げましょう。


バイクシートは長い期間がたつと必ず使用劣化を起こします。

内容は内側のアンコのヘタリや、生地の傷みです。

縫い目のサケなどは、劣化の初期症状といわれているので注意しましょう。

その際に使われるのが、補修テープになります。

破れや、サケを正しく補修することで、アンコの痛みを防ぐことができます。



カッコイイからといって、タックロールの入ったシートにすることはかなりのリスクが生じます。

どうしてもタックロールを入れたい場合は、縫い目ではないウェルダーのタックするべきです。

ウェルダーとは、高周波で圧着された生地のことです。


ウェルダー タックロール
ウェルダー タックロール


シートカバーを常備する

シートカバーを常備することによって、急な雨降りでも大事なシートを濡らすことはありません。


ここでのシートカバーとは

ポリウレタン素材の、のびのびするシートカバーです。

これらのシートカバーは伸縮性がいいので、縫い目はありません。


シートの適合などに問題はありますが、伸びることによって多少の無理はできます。

取り付けにはコツが必要ですが、慣れてしまえば問題ありません。


なるほどポイント

取り付けはシートの先端を引っかけて『グッ』と引っ張る感じです。

被せると若干のシワは出ますが、乗り心地が変わることはありません。


サイズも数多くあるので、自分のシートに合わせて購入しておきましょう。

価格は2000円以下で購入できるので、コスパもいいです。


青空駐車をしない

みなさんはバイクをどのように保管していますか?

自宅で雨ざらしに保管してはいませんか?


そんなときは、カバーを使いましょう。

車体全体を覆うことによって、雨風をふせぎ、さらに汚れなどもつかないメリットがあります。



もちろん、100均で購入できるものもあるので、非常用として外出先でも使えます。



水が染み込んだ時の対処法

シートに座るたびにズボンが濡れる…なんとかならないかな…


結論から言うと

シートを使用している状態で、完全に乾燥させることは不可能です。


理由は

みなさんが思っている以上に、シートは水が染み込みやすい構造になっているからです。


なるほどポイント

シートの取り付け角度によっては、縫い目が傾斜の下にあると水はそこから流れこんでしまうのです。


そして

アンコに染み込んだ水を、外に排出する箇所がミシン目しかないことが問題になります。

ミシンの縫い付けの穴はごくわずかな大きさしかありません。


さらには

縫い目への防水加工も逆効果になっているのです。


ダメなポイント

縫い目の裏側をコーキング剤で穴埋めしていることによって、外への排出を困難にしています。


こうなってしまった場合は、アンコと生地をそれぞれ乾かさなければなりません。

生地を剥がした状態にして、アンコを風通しの良いところで乾かす必要があります。

天日干しすることも1つの方法ですが、長時間放置するとアンコがボロボロになってしまいます。


わかったポイント

ひどく濡れている場合は、先にアンコを搾って余分な水分を出しましょう。

表面が乾いても内側に残っている場合は、荷重によってまたしみ出します。


一度剥がしてしまって生地も水を含んでいます。

アンコと同じように乾燥させてしまうと、生地は縮んでしまいます。

つねに水に濡らさず、メンテナンスを心掛けましょう。

ですが

保管状況や湿度によってカビが生えることがあります。



まとめ


バイクシートに防水性はありません。

とくに張替えをする場合には注意が必要です。


ビニールシートの役割は、シートにしみ込んだ水分がアンコに入らないようにするためのものです。

しかし

ビニールの防水性は低く、結果的には水分はアンコへしみ込みます。


張替え業者で使用しているビニールは、極薄のビニールフィルム。

これでは防水があるとは言いきれない。

結果


縫い目から水がしみ出て、いつまでもズボンが濡れる…


となってしまいます。

とくにタックロールを入れてしまうと、間違いなく水が入ってしまいます。

業者がおこなう防水には効果がないので注意しましょう。


純正と張替えでは、防水の処理方法がちがいます。

現時点では

純正シートに施されている防水処理が最適となる。


  • 生地の縫い目には防水テープ
  • アンコには比較的あつめの防水シート


バイクシートへの防水だけではなく、根本的に水濡れさせないことも必要です。

その方法は


  • 張替えをするときは、縫い目の少ないシートをつくる
  • シートカバーを常備する
  • 青空駐車をしない


この3つを心かけましょう。

最後に

水に濡れてしまった最悪の場合、生地をはがしてアンコを乾かす必要があります。

そうなってしまう前に、しっかり防水対策をしましょう。


バイクシートの張替えは、手軽にイメージチェンジできる方法です。

しかし、大事な防水性を忘れないようにしてください。


アンコ加工はしたいけど、生地は変えたくない


バイクシートにとって防水は必要不可欠な要素です。

純正と張替えでは大きなちがいがでます。

それは縫い目です。

見た目も重要ですが、防水処理をしっかりしてもらえる業者を選びましょう。

詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。


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